もくじ
『Ristorante due mamme(リストランテ ドゥエ マンメ)』
2019年5月13日オープンの予約制、古民家リストランテ。オーナーシェフは、熊本・山鹿出身の高武美咲さん。イタリアのリストランテで10年以上のシェフ経験があり、帰郷後にお店を創業。料理担当の高武さんとフロア担当の今村恵さんの2人で切り盛りされており「2人の母」の意味を持つイタリア語『Ristorante due mamme(リストランテ ドゥエ マンメ)』を店名に。「イタリアのおうちに招かれて食べるような、マンマが作る料理を出したい。」というテーマのもと、地元の旬の食材を使用した本格的なイタリア料理を、カジュアルなスタイルでいただけます。
イタリア料理
「イタリア料理」はイタリア発祥の料理法で、その歴史は古代ローマ帝国時代まで遡るそうです。2010年には、ユネスコの無形文化遺産に登録され、世界三大料理として世界中で親しまれています。地中海に面した温暖な気候を活かした料理が多く、さらに北と南でそのあり方は異なります。四季がはっきりと存在するイタリアは、地方ごとに旬の素材を使用した豊富な料理が存在。
「前菜・メインディッシュ・デザート」をベースとしたコース仕立てで振る舞われるスタイルは、明治時代に日本に到来して以降、長く親しまれ、パスタやピザ、トマト、オリーブオイルなどを使用した洋食などを中心に、好んで食されてきました。
イタリア人が考える「イタリア料理=マンマの味」。手軽で美味しい料理とワインを家族や恋人、友人、大切な人と食べるランチタイムは、イタリア人のポピュラーな休日の過ごし方なんだとか。そんなイタリアの日常を、ちょっぴり特別にいただける場所が『Ristorante due mamme(リストランテ ドゥエ マンメ)』です。
コース
お店のメニューは「ランチコース 3,300円(税込)」のみとなります。また、予約必須ですのでご注意ください。
【Aqua e bevande(ソフトドリンク)】
食前のドリンク。自家製という言葉に弱い、わたしたち夫婦。
自家製といえば、高武さんは自家菜園もされているそうで、そこで収穫される野菜やハーブもお料理でいただけるそうですよ!
新生姜から作るシロップの、本格的でスパイシーな味。
【Antipasto(前菜)】
生ハムの塩気とミルキーなモッツァレラ、瑞々しい苺の甘酸っぱさ。高武さんはハムやサルシッチャ、ツナやパスタなど、出来る限り自家製で作られているそうで、この生ハムもそうなのかしら。
【Zuppa(スープ)】
「ぼうぶら」はポルトガル語でかぼちゃのことを指し、熊本の伝統野菜(肥後野菜)のひとつ。2種のかぼちゃで作られた、甘いかぼちゃスープ。滑らかな舌触りと確かなかぼちゃの存在感。
【Pane(パン)】
イタリアでは、パンはお料理のつなぎとして提供されるそうですが、私にとってはメインディッシュ。
小麦と水で起こす自家製酵母(ルヴァン種)を使用して作るそうです。クラスト(パンの表面や耳)がゴツゴツしていて器用すぎず、正に田舎パン。酸味は抑えめ、でも風味は豊かで味わいは奥深い。噛むほどに美味しいってやつ。
パスタに塩気が多い為、イタリアンのコースでサーブされるパンは塩気控えめなものが多いのですが、こちらのフォカッチャは、表面に塩がしっかり散らされています。一般的なものよりも、クラストがバリッとしっかり、中はもっちり。ソースを拭うには惜しいくらい、そのままで十分美味しい、美味しすぎる。
【Primo piatto(第1のお皿)】
「パン粉のスパゲッティ」は、イタリア・シチリア州の郷土料理。「cucina povera(クチーナ ポーヴェラ)」のひとつで、意味は「貧乏人の料理」。パン粉とアンチョビを良く煎ったものを粉チーズに見立てて食べるスパゲッティ。からすみの強めの塩気と魚卵独特の風味が、カリカリの自家製パン粉とアルデンテ(固めに茹でた)のパスタに絡んで…。
【Secondo piatto(第2のお皿)】
熊本・菊池の山奥『やまあい村』で放牧飼育される、貴重な豚肉「走る豚」を使用したローストポーク。臭みは一切なく、柔らかく引き締まった質感。炭火焼きでじっくり調理し、程よく乗った脂と炭の香ばしさ。ジャガイモのピューレは、バターのリッチな味わいとシルクのように滑らかな舌触りが心地よいマッシュポテト。蕾菜(つぼみな)は、福岡を中心に栽培される野菜で「ストゥファート」は「煮込み」の意味。クッタクタに煮込まれた蕾菜は、辛子のようなほんのりとした辛味と小松菜のような食感です。
【Dolce(デザート)】
北イタリア・ピエモンテ州発祥の「パンナコッタ」は、牛乳や生クリーム、砂糖等を加熱し、ゼラチンで固めたスイーツ。一般的にはツルンとした食感のものが多いですが、これはもっっちりむっっちり!スプーンを跳ね返す勢いの食感。まるでクリームチーズを食べているような濃厚さと苦いカラメル、柑橘の甘酸っぱさの組み合わせは、形容し難い美味しさです。
【Caffe’(コーヒー)】
バレンタイン限定で店頭販売(予約制)された、ギフトボックスの中のひとつ「トリュフチョコレート」を珈琲と一緒に。体がポカポカするくらいラムレーズンがガツンと効いた大人のチョコレート、脳髄までとろけてしまいそう…。
* * * * *
こちらもバレンタインギフトのひとつで、たまたま店頭に並んでいた物をお持ち帰り。ドレンチェリーはさくらんぼの砂糖漬けのこと。「トリュフチョコレート」同様、しっかりめにラム酒がきいたパウンドケーキ。お家でもマンマの味を、楽しませていただきました。
♥♥♥♥♡ ぞっこん度:4.5
自家製のパンがいただけると知って、ずっと行きたかったお店。器用すぎず作り込みすぎない、家庭的でありながら、でも私にはとてもとても作れない!特別ですっごく美味しいお料理たち。複雑な味付けや難しい調理法ではなくて、質感や風味を最大限に楽しめる、最小限の味付けや適度な調理法。食べると「ほわぁ〜」とした優しい気持ちになるのです。「ottimo!」
あまりに感動したのでイタリア料理やその文化について調べたのですが、食に強いこだわりを持つというイタリア人は、1日3食欠かさないとか。「もしかして私の前世はイタリア人なのかしら?」なんて。
「Ristorante due mamme(リストランテ ドゥエ マンメ)」
定休日 | 日曜、第1・第3月曜日定休 |
営業時間 | 11:00~15:00(L.O.14:00) |
住所 | 熊本県菊池市下河原191(地図) |
TEL | 0968‐41‐9521 |
予約 | 必須(完全予約制)*ランチコース(税込3,300円)のみ |
駐車場 | あり |
2022年3月3日 心を込めて雅