もくじ
『SAILER(サイラー)』
1913年創業の『SAILER(サイラー)』は、オーストリアの老舗ベーカリー。4代目のAdolf Sailer(アドルフ・サイラー)さんは、1994年に独立し日本に上陸後、福岡に『ベッカライ&コンディトライ・サイラー』をオープンしました。代々引き継がれてきたオーストリアのお店は、サイラーさんの弟が引き継いで経営されています。
パン職人として、また菓子職人としても修行経験のあるサイラーさんは、オーストリアのパンとお菓子、2つのマイスター資格を取得しているそうです。お店にはオーストリア発祥のパンをはじめ、様々なケーキや焼き菓子、アイスクリーム等が並んでいます。また、2001年にオープンした併設カフェ『カフェ・サイラー』では、購入したパンやケーキの他、サンドイッチやパフェ、ドリンク等のカフェメニューもいただけます。
オーストリアのパン
ヨーロッパ中部にある連邦制共和国、オーストリア。首都のウィーンは、ハプスブルク家が強大な権力を持って広大な土地を統治してきたことで、政治や経済、音楽文化の中核を担ってきました。それと同時に、食文化も大きく発展。特に17世紀以降、パンやお菓子の製法開発や技術向上は目覚ましく、パン酵母の培養やポーリッシュ法(製法の1種)と、製パン用小麦品質の向上等、現在のパン製造を支える多くの技術を生み出したと言われています。
オーストリアには小麦粉やライ麦粉を主体とした、食事パンから菓子パンまで様々な種類のパンがあります。代表的なパンとして「カイザー・ゼンメル(オーストリアの小型パン)」、「ザルツシュタンゲン(ザルツは塩、シュタンゲンは棒の意味)」、「ヌスボイゲル(曲がっているナッツのお菓子の意味)」、「ヴィエナー・クーゲルフップフ(ウィーンのやや小高い丘の意味を持つケーキ)」等のパンが挙げられます。
また、フランスの「クロワッサン」や「ブリオッシュ」、デンマークの「デニッシュペストリー」といったパンも、ウィーン発祥という説もあるそうです。
パン
様々なサンドイッチから私が選んだのは、胚芽入りの生地で作る「胚芽センメル」にスモークしたモモ肉のハムとレタス、トマトを挟んだもの。「センメル」=「カイザーゼンメル」のことで、オーストリア・ウィーン発祥の代表的なハードパン。皇帝の王冠のような模様が特徴で、ケシの実やゴマを練り込んだもの等、様々な種類があります。サックリとしたクラストが香ばしく、シンプルな味わいなのでサンドイッチにすると最高に美味!
「プレッツェル」の語源はラテン語で「腕」。その形から「愛」を意味するという説もあるそうです。
独特の艶がある表面に焼き上がるのは、生地を最終発酵した後、ラウゲン液(水酸化ナトリウムを水に溶かしたアルカリ溶液のこと)に浸けているから。こうすることで乾燥を防ぐ効果もあるそうです。ガリッと硬い感じかと思いきや、引きのあるもっちりした生地。岩塩の塩気とバターのコクがあり、噛むほどに旨味がジュワッと。
クロワッサンとプレッツェルの製法を混ぜて作ったパン。外はプレッツェル、中はクロワッサン。一般的なクロワッサン(フランス式)よりも油分が少なく食べやすい印象です。
ほうれん草とギリシャ産の羊やヤギのチーズ「フェタチーズ」が入ったパイ。サックサクのパイ生地に塩気のあるチーズが、クセになる美味しさ。スウェーデン発祥の世界最大家具量販店『IKEA』にも同様のパイがあって、遭遇したら絶対買うくらい大好き!ぜひ食べてみてほしい一品です!
ライ麦を70%以上配合したパンで、一般的には「フォルコーンブロート」と呼ばれるパンです。粗挽きの粉を使用しており、粒感を味わえます。酸味やミントのような独特な味わいが特徴。目の詰まったパンで少しモサッとしているので、1mmくらいの薄さにカットして食べるのがおすすめ。
♥♥♥♡♡ ぞっこん度:3.6
オーストリアのパンがいただけるベーカリーは意外と少ないので、右も左も沢山のパンが陳列した店内で、私大興奮でした!日本人でも食べやすいパンの配合でありながら、本格的な黒いパンたち。でもドイツのパンとも一味違って。パンの奥深さにどっぷりです。豊富なサンドイッチも気になるものが沢山あって、キッシュやケーキも食べてみたかったなぁ。
サイラーさん著書の「サイラーのパン」を拝読してからいつか伺いたいお店のひとつだったので、今回の機会はとても嬉しかったです。本場のオーストリアにもいつか伺えたら…。
定休日 | 年中無休(元旦のみ休業) |
営業時間 | 7:00~19:00 (「カフェ」オーダーストップ 18:15) |
住所 | 福岡県福岡市南区長丘2丁目1‐5(地図) |
TEL | 092‐551‐7077 |
予約 | 可 |
駐車場 | あり |
2022年4月13日 心を込めて雅