もくじ
『自家製酵母パン ぶらうにい』
元は大分・九重町「瀬の本高原」にお店があったのですが、2017年11月26日に一度クローズ。その後店主、宮本伸一さんの地元である熊本・天草に帰郷。2021年12月11日に熊本・宇城市戸馳島(とばせじま)の複合施設『花のがっこう』内でお店を再スタートしました。『ぶらうにい』では、パンの販売(予約制)だけでなく、パン教室も行っています。
お店の名前にある『ぶらうにい(Brownie)』とは、ヨーロッパのケルト地方に伝わる伝説の妖精の名前で、パン焼きが得意、人の手伝いが大好き。妖精は修行を終えるとサンタクロースになるという説もあるそうです。「いつの日か、”ぶらうにい”もサンタクロースのように世界中の人たちに幸せをお届けできたらいいな。」という想いから付けた店名だそうです。
パンに使用する材料は「地産地消」をベースに、熊本県産『Lonowa(ろのわ)』の無農薬小麦、地元の無農薬野菜やフルーツ、自家栽培のものを使用。有機レーズンや旬のフルーツから起こす天然酵母を使用し、生地は12時間以上の長時間低温発酵。店主は天然酵母特有の酸味が強く出ないように心がけており、酵母の継ぎ足しは行わずに使い切るようにしているそうです(通常酵母は継ぎ足しを行いながら使いますが、発酵が進み酸味が出やすくなります)。またベジタリアンやアレルギー体質等、どんな方でも食べられるように、卵や牛乳、バター等の動物性食品を使用せず、植物性食品を使用。白砂糖は使用せず『NOVA(ノヴァ)』のオーガニックシュガーやてんさい糖、オーガニックメープルシロップ等の多糖類を使用するそうです。
無農薬小麦『Lonowa(ろのわ)』
『Lonowa(ろのわ)』は熊本県菊池市で25年以上、有機の農作物の生産や加工を行う農家。食料自給率向上のため、国産の農作物へこだわりを持っています。社名の『Lonowa』は、ハワイ語の「lono=収穫の神様」と「わ=輪・環・和」から。生産者と消費者の関係性や人の輪の大切さ、囲炉裏を食卓の象徴と捉えて「炉の和」など、人と人との繋がりを意味しています。
農作物は全て農薬や化学肥料を一切使用せずに育てており、平成21年には「有機JASの認証」も受けています。『Lonowa』の代表である東博巳(ひがしひろみ)さんは、農業を行う上で重要な要素は「水」「土」「太陽」と考えており、「水」は阿蘇外輪山のひとつである鞍岳(くらだけ)の上流を流れる伏流水を、「土」は25年以上農薬不使用のものを使用。畑の周囲には高い建築物を置かず、たっぷりの「太陽」の光で育てています。また家畜の糞尿等の廃棄物を肥料として使用し、新たな作物を育てる「循環型農業」も推奨されています。
有機小麦の品種は「チクゴイズミ」や「ミナミノカオリ」を中心に「ニシノカオリ」等。『ろのわ』では、自家栽培は勿論のこと、自家製粉もされており「精白(表皮・胚芽を取り除き、胚乳のみ粉にしたもの)」と「全粒粉(表皮・胚芽・胚乳を含む、小麦を丸ごと粉にしたもの)」の取り扱いがあるようです。
自然に優しく、目に見える安心安全な農作物は様々なベーカリーで使用されており『ぶらうにい』もそのひとつ。以前当ブログでもご紹介させていただいた、熊本・菊池市(七城町)にあるベーカリー『こなつむぎ』でも『Lonowa』が使用されています。
パン
パンは土日の予約販売のみ。日替わりで5種のパンが入った「フルセット 4,200円」と「ハーフセット 2,400円」が選べます。予約は『ぶらうにい』の公式LINEで行えます(詳しくは公式Instagramをご参照下さい)。
定番商品の「イチジクパン」。上品で濃厚な甘みの白イチジクがたっぷり。白イチジクというだけでも珍しいのに、オーガニックのものを使用する徹底ぶり。店主曰く「小麦は少し無理してでも地元の物にこだわっている。」とのことで、多くのパンで『Lonowa』の「全粒粉」を使用していると思われます。
小麦の良い風味が際立っています。クラストはガリッと硬めでコク深。クラムはもっちり、イチジクぷちぷちジューシーです。
店主曰く「好きなパスタの具、パンに練り込んじゃいました!」だそうです。「菊芋」とは、キク科の多年草でスーパーフードとして注目されています。蓮根のようにシャリッとジャガイモのようなホクホクな食感で、ゴボウのような土っぽい風味があります。そんな自家栽培の菊芋と大矢野産の菜の花を合わせたペペロンチーノ。その独特のほろ苦さと食感がクセになる、超大人の味!挟んだり添えたりするのではなく、生地に練り込んじゃう斬新さも面白いですよね。
風味が強いフィリングでも、パン自体の風味がしっかり感じられる素晴らしい作り。食事としても勿論◎ですが、これは飲みたい、絶対ワインが合います!
有機黒ゴマをふんだんに使用したチャパタ。クラムはもっちり高加水、クラストはカリッと軽やか。
ゴマ・ゴマ・ゴマ。黒ゴマのコクと深み。
2種の食パン。
山型のふんわりフォルム。有機の自家製豆乳ヨーグルトが練り込まれたクラムは、しっとりもっちり。旬のイチゴが醸すジューシーさと爽やかさ。イチゴ酵母のパンはしっかりと酵母の甘みがするので、何も付けずにそのまま食べるのがベスト。イチゴの酵母で作るパンって意外となくて出会えたら絶対買っちゃう私。
熊本の特産品、晩柑の自家製ピールを使用。柑橘特有の爽やかな酸味と甘味。苦味は少ないように感じます。あっさりとした食パンにするため、油脂(菜種油)の使用は控えめにしているそうです。しっかり焼き込まれたクラストの香ばしさ。リベイクするとさっくりと軽く、温かくなってきた今の季節にぴったり。
♥♥♥♡♡ ぞっこん度:3.7
粉の深みがあって、食感に個性があって。好きなフィリングをぶちこむような大胆さもあるけれど、基本的には緻密さがあるパンだと感じます。特に食パンが素晴らしい。イチゴ酵母最高。
徹底されたこだわりで安心して食べられるというよりも、食べることで安心するようなパン。ふと思い出しては食べたくなる…。酸味の少ないパンが多いけれど『ぶらうにい』の作るサワードゥブレッドも食べてみたいです。次はリクエストしてみよっと!
定休日 | 月~金曜日 |
営業時間 | 土・日曜日13:00~15:00 ※左記受け渡し時間 |
住所 | 熊本県宇城市三角町戸馳373ー3『花のがっこう』本館2階 ぶらうにい(地図) |
TEL | 070‐8485‐1456 |
予約 | 予約販売のみ LINE公式 「ぶらうにい」 で検索し、友だち追加。LINEで「店頭販売の予約」「発送の予約」「パン教室の案内」と 要件を書き込むと、ぶらうにいから返信。 |
駐車場 | あり |
2022年3月19日 心を込めて雅