【福岡・中央区】『Trente Trois(トランテ トロワ)』〜さぁパン屋さんまで、1(アン)・2(ドゥ)・3(トロワ)!編〜

【福岡・中央区】『Trente Trois(トランテ トロワ)』〜さぁパン屋さんまで、1(アン)・2(ドゥ)・3(トロワ)!編〜

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『Trente Trois(トランテ トロワ)』

2018年10月29日創業『Trente Trois(トランテ トロワ)』。「自分と大切な人の健康 そして環境のために 安心・安全なおいしいパンを」をテーマに、常時5種類のパンのみを取り扱っています。原材料に強くこだわっており、北海道十勝産の国産オーガニック小麦を店内で石臼挽き(オーストリア製の石臼使用)し、そこに長崎県平戸産の釜炊き塩と新鮮な水を加え、じっくり捏ね上げます。元種の仕込み(自家製酵母の仕込み)からパンの焼成まで4日程度かかるそうです。

発酵は自家製のオーガニック酵母である、ルヴァン種(オーガニックの小麦粉+水から作る発酵種)を使用して行っています。イースト(イーストフード)やマーガリン、ショートニング、保存料等は一切不使用。フィリングに使用するナッツやドライフルーツ等も、国産やオーガニック素材にこだわっているそうです。

店主の前田真吾さんは、パティシエ出身の方。パン職人を目指してからは、東京の有名店『シニフィアン シニフィエ』や長野・軽井沢『サワムラ』で修行を重ね、2018年にご夫婦で『Trente Trois(トランテ トロワ)』として独立されました。オープン当初は約30種類のパンが並ぶ一般的なベーカリーだったそうですが、前田さんはフードロスの観点から、商品を見直すことに。現在は5種類のメインメニューを中心に、週末限定や期間限定で並ぶパンのみのラインナップ。また、「SDGs(持続可能な開発目標)」への取り組みも積極的で、フードボランティアや環境保全への貢献、生産者の方との積極的な交流(畑の現地偵察等)も行っているそうです。

『BIO製品』とは

パンの聖地であるフランスやドイツを中心に流通が盛んだという「BIO製品」は、日本でいう「オーガニック製品(有機栽培製品)」のこと。野菜やフルーツ、肉、魚、卵、お菓子、パスタetc…

食品(加工品含む)のみならず、石鹸や化粧品、トイレットペーパー等の生活品に至るまで、「BIO製品(有機栽培製品)」は幅広く存在します。

中でも農作物の場合は規定が厳しく(国によって規定に多少の違いはあります)、農薬や化学肥料などを一切使用せず、100%有機の原材料によって生産されているものに限り「BIO農作物(有機栽培)」とされます。「BIO(有機栽培)認証」を得るためには、同じフィールドで3年以上農業を継続することや生産から販売までの全てを生産者が行う必要があること(有機農産物を取り扱う農協がないため)等、非常に困難とされます。故に、一般的に生産される農作物よりも生産率が低く希少なため、価格も約1.5倍程高く設定されています。

『中川農場』

『トランテトロワ』で使用される小麦や全粒粉、ライ麦等は、国産のオーガニックの物のみ。これは、国産小麦の自給率約10%(残りの約90%は外国産)の中の、約0.05%の中から選出された非常に希少な小麦となります。主に北海道十勝産のものを使用しているそうです(後ほど詳しく記載させていただきます)。『BIO農作物(有機栽培)』とも深い関係性があり『トランテトロワ』が信頼を置かれている小麦農家さんのひとり、北海道十勝地方・音更町(おとふけちょう)『中川農場』の中川泰一さんをご紹介します。

北海道十勝地方・芽室町に『アグリシステム』という「フィルドマン(畑のコンサルティングを行う専門家)」による契約農家さんへの土づくりや栽培技術の指導、オーガニック農業の普及など、安全・高品質な農作物の生産に取り組んでいる企業があります。

そんな『アグリシステム』の生産者のひとりが、有機小麦農家『中川農場』の中川泰一さんです。15年以上、北海道十勝地方・音更町の約55町の広大な土地で、農薬や化学肥料を一切使用せず、大豆や一般的な小麦(「キタノカオリ」や「ホクシン」等)、古代小麦「スペルト小麦(9,000年以上前から栽培されており、人工的品種改良がされていない小麦)」、ライ麦等、たったひとりで幅広く育てていらっしゃいます。

また、中川さんの小麦畑の面白い点は「キタノカオリ」や「デュラム」、「きたほなみ」、「春よ恋」等の数種類以上の複数の小麦の種を混ぜ合わせて、1つの畑で育てる「多品種混播麦(たひんしゅこんぱむぎ)」があること。通称「ノアシリーズ」と言われる、大変珍しい小麦だそうです。

『中川農場』中川さんの畑
『Trente Trois(トランテ トロワ)』公式Instagramより参照

それだけでも凄いのですが、さらに中川さんは堆肥を使わず、「緑肥栽培(栽培した植物を土壌と一緒に耕し作物の肥料とすること)」という「自然栽培(肥料や農薬不使用の栽培方法)」を選択することで、小麦の味や風味への影響を配慮されています。手間暇がかかる上、たったひとりで生産されているので、生産率は【一般的な栽培>有機栽培>自然栽培】と最も低く、とても希少な小麦となります。

そんな中川さんの有機小麦はとても希少な分、一般的なものより高価。ですが、有機JAS認定の安心安全性、新鮮で確かな味わいと中川さんの情熱が詰まった小麦は信頼も厚く『アグリシステム』直営のベーカリー『風土火水』をはじめ、今回ご紹介させていただく福岡『Trente Trois(トランテ トロワ)』、広島の老舗パン屋『Boulangerie deRien(ブーランジェリー・ドリアン)』、北海道十勝地方・音更町のパンとコンフィチュールの店『toi(トイ)』等、様々なベーカリーで使用されています。

パン

大きくパンを焼き上げるのは、その方が美味しく出来上がるから。丸々1個の購入も可能ですが、1/21/4(種類によって可能)での提供もあります。また、約2〜3週間冷蔵保存可能(さらに長期保存には冷凍での保存推奨)と比較的日持ちしますし、時間の経過で熟成が進み、さらに美味しくなるので少し多めに購入するのも◎。

『Trente Trois(トランテ トロワ)』公式Instagramより参照

パンの原材料のことや保存方法、美味しく食べる方法等、初めての来店では詳しく説明して下さいます(これもご夫婦で決めたルールなのだそうです)。大容量で通常よりもちょっぴり高価ですが、このようなご配慮のおかげで不安なく、納得のいく商品を選べるのも嬉しいポイントです。

「カンパーニュ 1/4 700円(税別)」※1.3cmスライス推奨。

直径30cm、約2kgの重さがあるという「カンパーニュ」。国産のオーガニック小麦に、希少な国産オーガニックライ麦全粒粉を20%配合、長崎県平戸産釜炊き塩(自然海塩)の「海の子」、水、自家製オーガニック酵母(ルヴァン種)使用。小麦は北海道十勝産を中心に、熊本県菊池市『吉川農園』のオーガニック小麦も使用するそうです。九州産の小麦は、福岡・八女の老舗製粉会社『田中製粉』に製粉をお願いしているそうです。

高温でしっかりと焼き上げることで、ほのかに苦味のあるクラスト。バリーンというより、ボリーンとした食感。クラムはもっちり、濃厚な小麦の味わい。後味にジュワーキューンとした酸味が少しあります。

焼き上がりの翌日以降に食べる方がおすすめだそうで、時間の経過と共に味がまろやかに変化していくとのこと。実際、数日後に改めて食べてみると、びっくりするくらい小麦の風味が落ちていない!むしろコクが出て濃くなっているような。クラストがガリッガリになるまで、長めのリベイクが個人的なおすすめです!

「全粒粉100 800円(税別)」※0.8cmスライス推奨

北海道十勝地方・音更町『中川農場』の中川泰一さんが作るオーガニック全粒粉「ノア8(ミッシュ)」と北海海道・本別町『オフイビラ源吾農場』の篠江廉孝さんが作る「キタノカオリ」と1:1の割合でブレンドした、オーガニック全粒粉100%使用のパン。長崎県平戸産釜炊き塩と水、自家製オーガニック酵母のみ。

「ノアシリーズ」の写真
『Trente Trois(トランテ トロワ)』公式Instagramより参照

使用されている、中川さんの「ノアシリーズ(多品種混播)」。「ノア7」、「ノア8(SP70)」、「ノア8(ミッシュ)」と種の配合が少しずつ変わっていくので、お店は仕入れた分のみでパンを焼くことができるそうです(小麦がなくなり次第終了で、「ノア8(ミッシュ)」は既に販売が終了しております※2022年5月現在)。

私が訪れた際は「ノア8(ミッシュ)」に遭遇できました。「ノア8(ミッシュ)」にはライ麦が30%配合されているそうですが、篠江さんの甘みのある「キタノカオリ」とブレンドすることで、実質15%くらいになっているそうです。どちらも粒のまま仕入れ、店内の石臼で毎日自家製粉するため、鮮度が高く、香りも良いのだとか(店内も製粉後の良い香り!)。

ぎゅっと詰まった見た目ですが、カンパーニュよりも軽い印象。クラストはしっかり、クラムは糸を引くようなむっちり感。食感はもちろんのこと、やはりなんと言っても雑穀を感じる芳醇な香りが素晴らしい。さぞ複雑な味がするのだろうと思いきや、味自体は素朴で食べやすくて。噛むほどに広がっていく粉と酵母の風味、甘みからまろやかな酸味に移行していく過程が好き。クリームチーズでコクを加えると、一層美味でした!糖質が低く、食物繊維が豊富なので、ダイエットにもおすすめだそうです。

「3種の粒胡椒とカシューナッツ1/2 900円(税別)」※1.4cmスライス推奨

期間限定商品。全粒粉タイプの国産オーガニック小麦と長崎県平戸産釜炊き塩と水、自家製オーガニック酵母で作る、お店で最もシンプルなパン「ブラン」をベースに、オーガニックカシューナッツ(インド産)、オーガニックグリーンペッパー(スリランカ産)、オーガニックホワイトペッパー(スリランカ産)、無農薬ピンクペッパー(スリランカ産)の3種の粒胡椒入り。

ベースの「ブラン」はレストランに卸もしているそうです。もちもちしたクラムで、小麦の甘味があります。「カンパーニュ」や「全粒粉100」のような酸味は、ほぼ感じられません。ツヤッツヤのグルテン膜が美しい。

口に入れた途端ペッパーが弾け、舌がピリリッとしますが、辛さの中に爽やかさもあり。カシューナッツの丸みのある甘さとぺッパーのハードさが良いバランスで、癖になる味わい。ワインに合うので、パン呑みにも最高。私たち夫婦はこのパンを常時置いてほしいくらい好きなのですが、今年(2022年5月現在)はもう販売が終了したそう…また来年会えることを楽しみにします!

「ZAKUZAKUクッキー(4枚) 320円(税抜) 」

佐賀県産のオーガニック小麦やオーガニックシュガー、長崎県平戸産釜炊き塩、福岡県うきは産の平飼い有精卵、北海道産の発酵バターから作る、奥様発案のザックザクゴッリゴリ系クッキー。

噛むほどに小麦の甘味や強さが滲み出て、これがまた美味しいのなんの!元々はお客様へプレゼントとして配ったそうなのですが、あまりの美味しさに販売希望の声が多く、メニューに加わったそうです(声を上げてくれた方に感謝です!)。4枚から購入可能なのでお試しで買ってみたのですが、本当にほんっとうに!もっと沢山買っておけば良かった!ザクゴリクッキーが好きな人には、絶対食べてほしいです!!

原材料生産者の皆さま

オーガニック小麦北海道・本別『オフイビラ源吾農場』篠江康孝さん/北海道・岩見沢『狩野自然農園』/北海道・当別 菅原健徳さん/北海道・帯広『斎藤農場』/北海道・更別&上富良野『トカプチ』/北海道・幕別 『小笠原農園』小笠原保さん/熊本県・菊池『吉川農園』
オーガニック全粒粉北海道・音更『中川農場』中川泰一さん/北海道・本別『オフイビラ源吾農場』篠江康孝さん
オーガニックライ麦北海道・更別『トカプチ
自然海塩長崎県・平戸『塩炊き屋』今井弥彦さん
平飼い有精卵福岡・うきは『iTo farm』伊藤寛さん

♥♥♥♥♡ ぞっこん度:4.4

近年のニーズや傾向から「身体に優しいパン」を売りにしているパン屋さん、増えてきていますよね。でも実際のところ、どこが安心で何が安全なのか、明確でないパン屋さんも多かったりします。無添加なら安心なの?国内産なら安全なの?私も少し前まではそんな安直な考えでした。

ハンバーガーやケーキ、ポテトチップスなどのお菓子、ジャンキーな嗜好品って美味しいですよね。私も時にはそんな商品たちから添加物、食べちゃっています。外食も大好きだし、全ての不健康からは逃げられない。

・・・・・・

だからこそ、日常的に食べるものはちゃんと考えたい。家族に食べてもらうものは、明確な安心感がほしい。真の消費者に寄り添ったパン屋さんは、詳細をきっちり記載してくれます。しかも大体、色々包み隠さないパン屋さんの方が美味しい(自論ですが)。それに、また食べたいなって自然と思うものです。

『Trente Trois(トランテ トロワ)』も、正にそんなパン屋さんの1つ。身体にも心にも優しいパン屋さんです。無駄なものが入っていない分、シンプルで穏やかな味わい。パン好きな人も、そうでない人も「小麦って、なんて美味しいのだろう。」と感じるはずです。ちょっとワイルドな見た目も素敵です。美味しいパンを、ありがとうございます。また近々、お邪魔させていただきます。

Trente Trois(トランテ トロワ)

定休日月・火・水曜日
営業時間12:00~17:00
住所福岡県福岡市中央区平丘町1−5 浄水通り・平尾小学校近く(地図
TEL092-526-0333
予約
駐車場あり
2022年5月現在の情報です

2022年5月25日 心を込めて雅