もくじ
『petit lab BAKERY(プチラボベーカリー)』
2019年5月10日オープンのベーカリー兼カフェ『petit lab BAKERY(プチラボベーカリー)』。同年11月、2階のカフェをオープン。レトロな外観のお店は、元々呉服屋や郵便局として使用されていた築97年の建物をリノベーションしたそうです。
パンはシンプルなバゲットや食パンから、サンドイッチ、ペストリーに至るまで約65種類以上、1日に1,000個以上焼きあげるのだとか。カフェは、購入したパンをいただけるイートインスペースとしてだけでなく、手作りの副菜やグラタン、パン、スープ等が付いた日替わりのランチプレートや手作りのドリンクの提供も行っています。
店主の内藤加奈さんは独学でパン作りを学ばれており、元々は自宅の工房でパン作りをされていたそうです。パン教室やイベントへの出店、パンのレシピ本の出版等、様々な経験を経て現在の店舗を構えることとなったそうです。内藤さんは3人の男の子を育てる、現役お母さん。パン作りの原点はお子さんにあるそうで、公式のInstagramでは次のように述べています。
『(前略)はじめは不細工なパンでね、こどもたちも笑っていたんだけど、段々ときれいに焼けるようになって、ママーじょーずーなんて言ってくれたりして。すごく嬉しかったなぁ。あの頃の喜んでくれた顔、ずっと忘れないだろうなぁ。わたしの原点は、こどもたち。本当に、大切な原点。』
petit lab BAKERY(プチラボベーカリー)店主 内藤加奈
素材を大切に、工程を丁寧に。
「素材と工程」を大切にしたパン作りをされている『プチラボベーカリー』。小麦や野菜、フルーツ、卵等、山口県を中心とした信頼の置ける農家さんから仕入れ、ソースからジャム、フィリング1つに至るまで、手作りされています。良い素材に巡り合えたら、それに合わせて作るというのがベースのようです。
小麦 | 北海道産小麦粉「春よ恋」をメインに使用。全粒粉「はるゆたか」、北海道産ライ麦粉 |
酵母 | 自家製レーズン酵母、自家製麹酵母、イースト等 |
野菜 | 山口『yorozufarm』の無農薬、化学肥料不使用の野菜を中心に使用 |
フルーツ | 山口・下関『阪田農園』のフルーツ等使用 |
卵 | 山口・宇部『しんあい農園』の抗生物質不使用の餌で飼育する、放し飼い赤鶏の朝採れ卵 |
塩 | 山口・油谷半島『百姓庵』のミネラル豊富な自然塩「百姓の塩」 |
油 | 北海道産「四つ葉バター」、太白胡麻油(たいはくごまあぶら)等 |
パン
自家製みかんシロップの「本日のソーダ」は酸味と甘味のバランスが良く、とてもフレッシュ!信じられないくらい美味しかったです。
一口大の揚げチキンと手作りの豆乳マヨネーズ、ポテトサラダ、玉葱のマリネ等が挟まったサンドイッチ。野菜はずっとお店と親交がある山口の農家さん『yorozufarm』から仕入れたものを中心に使用。フィリングは手作りのものばかりで、味付けもシンプル。だからとても美味しい。
バンズとして使用されていたのは「kokumotsu」という手捏ねパン(写真上)。ライ麦やオートミール、ヒマワリの種、大豆、亜麻仁等の穀物を乗せて焼き上げているそうなのですが、これが風味豊かで非常に美味!フィリングにも負けない力強さがあって、優しい甘さがあって、お姉さん的なイメージ。単品でも販売しているので、ぜひ食べてほしい逸品です!
「タバチュール」とは、フランス語で煙草入れの意味。生地はバゲットのような、ハード系になります。包み込まれたバターがジュワーン。軽い食感と程よい塩気で、飲むようにどこまでもいける…。数量限定のようなので、見かけたらラッキー!
かぼちゃとクリームチーズがゴロンゴロン入ったベーグル。ぽろぽろ溢れてしまう程、たっぷりトッピングされた黒ゴマ。
クラストがむっちり引きがあり、クラムはもっちりふわっ。生地には『yorozufarm』の米粉を配合しているそうで、パンなのに白米のような甘みがあり日本人好みの味わいです。
「出来立ていかがですか?」と優しい店員さんに誘われて、抗えなかったホットドック。引きが強いセミハードなパンは「バゲット」と同じ生地を使用しているそうです。太ましいソーセージにたっぷりのチーズ、そして自家製のトマトソースがこれまた素晴らしく。トマトの甘さと酸味がぎゅっと濃縮されていて、素材そのものの美味しさがしっかりと楽しめます。ソースのための一品と言っても過言ではない。
さっくりふんわり優しいブリオッシュ生地に、自家製の塩キャラメルがたっぷり。
中にゴロッと入った胡桃がアクセントに。ぬったりとした口溶けを味わえば、至福のひととき。甘じょっぱい味がクセになる美味しさです。
大人気商品の「ざくざくメロンパン」は名前の通り、ザクザク食感のクッキー生地。卵の優しい風味の素朴なパンだけれど、温かな味がして。「メロンパン」のレシピは、パン作りの原点にあるお子さんへの想いが一際詰まった、試行を重ねてできたものだそうで、工房時代からずっと変わらないレシピなんだとか。言葉にしなくても食べたら伝わってくるその想いに、物作りの素晴らしさを感じました。
定番食パン。トースト向き。リベイクするともちっとした引きがありつつも、ザクッな食感に。北海道産小麦の深く濃い味わい。生クリームが入っているので、甘みが強いのが特徴です。
他にも食パンは、しっとりもっちり食感の「角」と、「角」をベースにかぼちゃを練り込んだ「かぼちゃ」、「ぶどうパン」があるので、お好みで。
北海道産の小麦とライ麦、全粒粉、自家製レーズン酵母、塩。
そこに恐らく食パンの「かぼちゃ」と同じかぼちゃが練り込まれていました。もちっむちっなクラムと、焼ききった香ばしいバリッとクラスト。酸味はほぼなし。小麦と酵母の強い風味の中に、かぼちゃの素朴な甘みもしっかり感じられます。
ガリッゴリのバゲット。上顎がやられるような香ばしく軽いクラスト。
クラムには「カンパーニュ」同様、かぼちゃが練り込まれていました。口に近づけると酵母の酸な香りがしますが、味にはほぼ出ておらず食べやすい甘みがあります。冷凍保存しても風味飛びすることなく、美味しいままで保存できるのが最高です。
見た目からしてゴツゴツザクザクなスコーン。卵と乳製品は不使用、バターの代わりに太白胡麻油(たいはくごまあぶら)を使用しているそうです。ザックホロロな外側と、しっとりふわっな内側。深い小麦とアーモンドの風味、程よい甘さ。正にパン屋さんの作るスコーンで、まるで甘食のような印象でした。
口に近づけた瞬間から美味しい、おすすめです。
♥♥♥♡♡ ぞっこん度:3.9
イートインスペースで美味しくパンを食べていると、大学生3人組が入ってきて「なにそれ、超美味そう!」「これまじうめぇー!」と言いながら、キラキラした笑顔を浮かべていたのが印象的でした。ちょっと小腹を満たしに立ち寄ったのだろうなと思うのですが、あまりに美味しそうに感極まった声で話すものだから「そうだろ?うまかろ?いっぱいお食べ〜。」と、近くにいた私は、良くわからないポジションで誇らしくなってしまって。帰りの車で「美味しいは世代を超えるんだな〜。」と嬉しくて、そんなお店に巡り会えたことに感謝です。心が温かくなる美味しいパンを、ありがとうございます。また必ず伺わせていただきます。
定休日 | 日~月曜日・祝日(cafe:土~月曜日・祝日)※最新スケジュールはHP要確認 |
営業時間 | bakery11:00~16:00、cafe11:00~14:00 |
住所 | 山口県美祢市大嶺町東分3405‐3(地図) |
TEL | 0837-52-9236 |
予約 | 可 ※2022年4月現在は、一時予約不可。ビーツカンパーニュは予約必須。 |
駐車場 | あり |
2022年4月25日 心を込めて雅